ディスクロードにMTB用のローターってどうなの?

こんにちはふじみ野店北川です。

ディスクブレーキ搭載バイクのお手軽なアップグレードとして人気があるのは「ブレーキローター」のアップグレード。
ロードバイク用のローターは上位になるにつれて放熱効果が高くなるのでより安定的なブレーキ性能が得られます。
安定的なブレーキ性能とは、ブレーキ熱でオイルが沸騰する「べーパーロック現象」のリスク回避、ローターとパッドの熱が上がり摩擦力が下がる「フェード現象」のリスク回避です。
(原理などの細かい話は省いています)
それと軽量化SM-RT900(DURA-ACE)とSM-RT70(105)では1枚当たり20gほどの軽量化が見込まれます。

ディスクブレーキにおけるローターの違いと制動の関係

さてそんなローター。

お客様からときどき「MTBのローターつけるとどうなの?」ってご質問をいただくことがあります。
確かに選手のバイクなどを見ると時々そのような組み合わせになっているものを見かけます。

単純にルックスにあこがれてということもあるでしょう。
しかしもともとシマノはMTBでディスクブレーキのノウハウを持ったうえでロードバイク向けディスクブレーキを開発し、その過程でロードバイク向けのローターを専用に開発している経緯を考えるとロードバイクの乗り方なら「ロード向けローター」を使うことが望ましいのだろう、と想像することができます。
これはそれぞれのブレーキスタイルの違いによるところがあります。
どちらかというとMTBは瞬間的なストッピングパワーを求めるのに対して、ロードバイクはスピードコントロールのブレーキというイメージがあり、ゆるゆると坂道を下るときの「あて効き」など比較的長い時間制動をかけることを求められます。
そのため熱がブレーキに溜まりやすく、それを解決する手段としてロード向けのフィン付ローターが採用されています。

DURA-ACEグレード「SM-RT900」のローター
黒い部分は放熱フィンでしかも放熱性に優れたペイント

MTBローターにもフィンはありますがロードに比べると半分以下です。

XTRグレード「RT-MT900」のローター
放熱フィンの存在とペイントは同様ですがその面積が大きく異なります。

そのうえでカスタマイズとしてMTB向けローターを使う理由はなんなのか?

というのが疑問になるかと思います。
先日ディスクロードにMTBローターをつけたバイクを試す機会があったので乗ってみました。
ただ試せた台数は経験上まだまだ少なく、個体差もあったり全部に当てはまるわけではないと思いますが、なんとなく「そういう傾向がある」ととらえていただけると幸いです。

肝心のフィーリングというと、どちらも握り始めたときは同じような感じなのですが、ロード向けローターがレバーを握りこんでも自然に制動力が立ち上がっているのに対し、MTBローターのそれはある程度握りこんだところから急に制動力が立ち上がる感じでした。
これをどう感じるかはまさにライダー次第なのですが、私にはその挙動が怖かったです。
なれの問題もあるかと思いますが、その境目にかかるときの変化が、どのくらいの引き量で起きるかを理解してないと危ないかもしれません。
これはローターの構造自体はアルミをステンレスでサンドする「FREEZA」で同じなのですが材質に違いがあるとのことでした。
そのためそういったフィーリングととらえる方もいらっしゃるそうです。
人によってはそれを「かっちり感」ととらえる方もいるそうで、そういった理由から採用した人もいるのかもしれません。

こういったカスタマイズに興味を持つことは理解できるのですが、
何のためにやっているのか?どういった効果が見込まれるのか?それに関してのネガティブとポジティブは?費用対効果は?を理解したうえで行うといいでしょう。
定番と違う組み合わせが「こだわってる感があってカッコイイ」という理由だけでは「思っていたのと違う」ということにもなりかねません。
間違いないカスタマイズはロード向けローターの中でのグレードアップをお勧めします!

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