ホイールビルドのカガク-05 〜ZONDA DB に学ぶ〜

ホイールビルドのカガク5回目です。

今回はゾンダディスクブレーキ仕様(ZONDA DB)に学ぶというお話です。

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↑ゾンダDBのフロントハブです。

リムブレーキのハブの場合は、左右対称でしたが、ディスクブレーキの場合は左右非対称のハブになります。
ディスクローターを取り付けねばならないので、左側のスポークがホイールの中心に寄らないといけません

では説明をはじめます。

対称のリムブレーキホイールと、ディスクブレーキのホイールの差をあらわす図をかきます。

IMG_3725

リムブレーキのスポークパターンが…

IMG_3728

ディスクローターの出現(?)で、左スポークがホイールセンターに寄ります。

ここで「左右それぞれのスポークとホイールのセンターで描かれる赤と青の三角形」を書き足すと

IMG_3733

左の青の三角形右に比べてガッつり小さく小さくなりました。
リムブレーキならば対称ですから、これはエライ差です。
前回からの繰り返しになりますが、青の三角形が小さくなったので このホイールは右によれやすくなっています。
青の三角形小さくなったことで横剛性が失われたということです。
バランスが悪くなった。ということもできます。

前輪で右側と左側の横剛性が大きく違うホイールは、コーナリングに相当な影響がありそうです。

左右の横剛性が(若干)違うホイールは昔こんなの(↓)を実験で組みましたが…

IMG_1323+s

やっぱり普段使いするメリットは何もありません。

では、失われた横剛性を取り戻すにはどうするのか?ですが、青の三角形面積を増やすということになります。
バランスをよくするということですね。正確にはなるべく元に近い状態にに戻すということですが

方法は2つあります。

ひとつめ G3化

左右異数のスポーク数にラージフランジを合わせます。
この場合は左14本、右7本というG3を想定したスポーク数です。

IMG_3741
(16/12/04 図を書き直しました)

青の三角形増やすべく左側のスポーク数を右側の倍にします。
そうすれば青の三角形の面積は倍になりますね。
青の三角形赤の三角形面積差が縮まればよいわけです。

ふたつめ オフセットリム

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ゾンダ ディスクブレーキ のリムのバルブホールです。
穴の断面が左右非対称になっている オフセットリムです。

図にすると↓こうです。

IMG_3740
(16/12/04 図を書き直しました)

ホイールセンターからリムセンターを右側へずらすことができるので、青の三角形の面積は増え、赤の三角形は減ります。
このような ふたつの方法を使って青の三角形赤の三角形の面積差を縮め、ローターによって失われた横剛性のバランスをとっているのです。

こういったホイールは、ハブやリムを専用品で設計しているので、高次元の性能を手に入れることができます。
本当に、こういったホイールを設計する方々は頭がキレますね!恐れ入ります。

ZONDA DB に学ぶ のお話でした。

みやかわ

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